要介護4、要介護5
介護制度が、介護を要する程度に応じ、要支援(1~2)と要介護(1~5)に分けられていることはご存知ですよね、
で、尺八ボランティア(“今虚無僧”)でお相手するのは“どの段階”かですが、
全段階です、
昨日は2ステージの“今虚無僧”を実施したのですが、
第1ステージでは、要介護4、要介護5の方々が対象だった、
(第二ステージは、要支援と介護2程度まで)
要介護4、要介護5になりますとね、
全員車イスです、自分では立ったり座ったり歩いたりは出来なくなっておられる、
食事や、排せつも自分1人ではできません、
意思の伝達が出来ないか、ほとんど不可能になっとる、
明らかに知的能力の低下がみられます、
この要介護4、要介護5の方々約20名を前に、
少しおしゃべりをはさみながら尺八を吹いたわけです、
まるで反応がありません、
ナニを語りかけても、ナニを吹奏しても、まるで反応が無い、
壁に向かって吹いているような感じかな、あぁ、壁なら音の反響がある、が、これも無い、
が、が、ほんとうにそうでしょうか???
実は、ものすごい反応があるみたいなのですわ、
目玉は薄く濁ってボンヤリしている、表情にもほとんど動きが無い、
が、身体のどこかが微妙にピクピク動いていて、なんと、曲の拍子を取っていたりする、
拍手したり、小声で歌ったりはまったくありません、期待できません、
逆に、四六時中ブツブツ独り言をつぶやいていたり、他の曲が頭に浮かんだのでしょうか、その曲の一節を追い続けていたり…
はぁ、これらに気をとられると尺八が吹けなくなるよ、
要するに、とても尺八の吹き辛い場だってことですわ、
が、わたしは、一生懸命に吹きました、
自分が、車イスに乗って、尺八を聴いているような気がしてならん、
吹きながら、わたしは、すでに車イスの人ですわ、
老人らの感情をなんとか無理やりにでも動かしてみたいと思いましてね、
わたし、思い切って“軍歌”を3曲混ぜいれました、お聴かせしました、
「海ゆかば」「異国の丘」「暁に祈る」
で、ステージを終えて、道具など後片付けをしていたら、
前列右端・車イスの上品な感じのバァサンが、
「軍歌は嫌や…」と、小声でつぶやいた、
わたし非常にビックリしました、
この、バァサン聴いていたのだって、その時、初めて判った!!!
いやぁ~、マイッタ、マイッタ!!!!