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2012年8月 8日 (水)

臭味

メダルラッシュですか???
取ったらカッコええ、ちょっと齧っているようなそぶりで写真撮影、
「みなさんのおかげです、ここまでささえてくれてありがとうございます…」

メダルに届かず破れたら…
「全力を出し切れました、もう悔いはありません…」
が、心の内は、くやしくて、くやしくて、くやし涙すら出てこない、

うれし涙というか、悔し涙というか、目から出る汗というか
柔道選手はよく泣きますねぇ~、いや、目の汗だよね、
ウソだァ~、
泣くな!!!
みっともない!!!!

自分が居る、そしてもうひとり別の自分が居る、
試合が終わり、結果が出る、
自分と、もうひとり別の自分が向き合う、
「自分をほめてあげたい気持ちです…」
と、いうようなことを、以前、言った人が居ましたよね、ダレだったかな、

オリンピック代表にまで上り詰めた方々だ、一挙手一投足に注目が集まる、
吐く言葉には、それなりの意味があり、価値がある、
が、深読みしすぎるのはよくありません、

冒頭のメダルを得た選手の
「みなさんのおかげです、ここまでささえてくれて…」ですが
「もし、みなさんの支えが弱かったら、負けていた」の反語でしょうか??

メダルに届かなかった選手の
「…もう悔いはありません」ですが、
もう少し頑張っていたらあるいは…の、意でしょうか???

百㍍で優勝・金メダルのボルト選手、古代ギリシャ彫刻のようなポーズをとりましたね、
もし彼が、静かに
「みなさんのおかげです、ここまでささえてくれてありがとうございます…」
と、語ったら、これまた大反響を呼ぶでしょうね、
非難ごうごうの大反響???
????
でも、わが国・日本では、「デケタお方だ、人間的にすばらしい…」でしょうか???

芥川龍之介の短編小説に「手巾(ハンカチ)」というのがある、
ひとりの婦人が大学教授宅にやってきた、婦人の息子が亡くなり、初七日を済ませ、そのことを息子が世話になった教授に伝えにきた、
婦人は終始落ち着いて、顔には微笑さえ浮かべかなが、「あれも、とうとういけませんでした…」と、話した、
教授は婦人の意外な平静さに違和感を覚えた、
が、その時、たまたま、教授は手にしていた団扇をテーブルの下に落とし、ソレをうつむいて拾おうとした際に、テーブルの下で強くハンカチを握りしめ激しく震える婦人の手を見た、
平静さを装いながら、顔には微笑さえ浮かべながら、婦人は激しく泣いていたのだった、
と、いう筋書きの話、

龍之介は更に話を書き進めている、
欧米の舞台芸術の演技手法に、上述の話と似た手法があり、顔で平静を装いながら、手でハンケチを引き裂いて見せる手法があるという、
で、この演技法は評価されないというようなことに言及している、臭味(嫌味の意)があるとされるらしい、
ちなみに教授はヨーロッパ外遊の経験があり、教授の奥様は日本趣味のアメリカ人で、教授自体は武士道の信奉者って設定だ、

教授は、訪ねてきた婦人(教え子の母)が、微笑すら浮かべながら、が、テーブルの下でハンカチを握りしめ必死に激情を押し殺し息子の死を語ったことと、いわゆる臭味だとする欧米の観方とのはざまで呆然とする、

わたし、金メタル云々で選手が語る言葉が気になって、この芥川龍之介の短編に思い当り読み返したのだった、
“テーブルの下の手が震えていた”って箇所だけを覚えていて、で、読み返したのだが…
臭味かぁ~
臭味ねぇ~
すこし判る気がする
わたしは、なんとなく臭味を嗅ぐがゆえに、冒頭のような言わずもがなのことを言ったのだよなぁ~


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